二流でいこう – 一流の盲点 三流の弱点 –

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先日南堀江にあるD&Departmentに買い物に行きました。
今回は贈り物を買いに出かけたのですが、家が近くという事もありこちらにはぶらっと立ち寄る事が多いです。”Long Life Design”をコンセプトに掲げ、ミニマルな店内。置いている商品も北海道の工芸デザインや有名な白山陶器など値段はびっくりする程高くはないが一度買うとずっと使えそうなものをセレクトして並べています。
家具でいうとカリモクやMARNIなど。
この日はここで買い物を終えた後、書店に向かい本をだらだら物色していました。すると目にとまったのがD&Department関連の書籍。
先ほど店舗にいった事とタイトルに引かれて読んでみる事に。

ナガオカケンメイの語る1流.2流.3流

読んで見て率直に。おもしろかった。
要はするに自らの”立ち位置”や”役割”について書かれた書籍。これに関して共感するところが多く良く客観的に分析されているなと。
それも世界的にみていう1流〜3流という訳ではなくこの定義は私たちそれぞれが属する会社やコミュニティーの中での話だ。
1流の人は高級レストランに行って、高級車に乗り…という話だけではない。(もちろんそういった意味が含まれる部分もあったが)
著者自身の体験にそって語られるその内容はとてもリアリティがある。
三流デザイナーから始まり、巡り合わせによって一流デザイナーと仕事を始めることになる。一流デザイナーを目指し、努力する事で二流にデザイナーに昇格する。
しかし一流デザイナーにはなれない。因に三流はその努力すらしない人の事。
二流のポジションなので一流の人と仕事をする事も三流の人と仕事をする事もあった。
どちらの仕事っぷりも見る事ができたので二流である事の意味や役割に気づく。

言うまでもなく実社会ではなんでもない日常

一流から順番に社長→部長→社員の構図があるとする。
部長は”もしかしたら社長になれるかも。”と思い必死に頑張る。もちろん実際になれる人もいて一流のステージに立てる。
でも社員がいきなり社長になろうとはしない。まずは二流。部長を目指す。目指さない人はそのまま。
これは収入や責任ももちろん違ってくるけど、一番違うのは役割。
よく”経営者と同じ目線で仕事をしろ”という話を聞くが本当にこれをやると会社は回らない。
二流の人は経営者の考えを意識して仕事する事はできる。
なぜなら一流を目指しているから。しかし三流の人には到底できない。
一流の考えを想像すらできないし、直接話しても言語が違うので話が通じない。
これは悪い事でも何でもなく、現在のその人の役割に合っているかそうでないかだけ。
新入社員が突然会社の全容を把握できる訳がないし、入社当時の部長もそうだったはず。
社長の意志を部長が理解し、翻訳して社員に伝える。これがまぎれもなくそれぞれの役割でその立場の人にしかできない。

一流は未来を売り、二流は今を売る。三流は過去を売る

これはこの本で印象に残った言葉の一つで自分もそうだった。よく言うつもりもないけど自分は現在今の会社でこの本によるところの二流。
2-3年前までは3流だったと思う。
当時は一流の言う事を全て正解。正しい意見で否定する余地もその想像すらできずに動いていた。
なんとかこの人に近づきたいと。でも現在は未来ばかりを売ろうとする一流に少し意見ができる様になってきたし一流も時にはそれを受け入れてくれるようになった。
それでも一流には程遠く一流に近づこうとする二流で落ち着くのか本当に一流になってしまうのかは分からない。
そして三流の部下もでき、一流の意見を翻訳していかにわかりやすく伝えるかに試行錯誤している。その中でこの人は近々二流になるだろうと分かる様になっている。
この本を読んで改めて自分の立ち位置が確認できたし、現在の位置からしか出来ない事があるという事が非常に明確になった。
もしかして一流の人がこの本を読んでもいまいち何が言いたいのか分からないのかもしれない。でも世の中にはいわゆる”中間層”がたくさんいるので、ほとんどの方に何かしら当てはまるところがあるのではないかと思う。自分の立ち位置や方向性を再確認したい人には非常におすすめの一冊。

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